骨粗しょう症について
早期発見・早期治療が大切です
- 当院では、最新のX線骨密度測定装置(DXA法)を導入しており、骨粗しょう症の早期発見・早期治療に力を入れています。
- 骨折の予防対策として早めに骨密度検査を受けることをお勧めしております。
- 早めに治療と予防を開始し、健康寿命を延ばしましょう。
骨粗しょう症とは
- 骨粗しょう症とは、骨密度や骨質が低下して骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。
- 高齢化に伴い、その数は年々増加傾向にあり、圧倒的に女性、特に閉経後の女性に多くみられます。
- 骨折して検査して初めて骨粗しょう症と診断され、その時にはかなり進行しているというケースもあり、介護が必要になったり、寝たきりになる可能性もあります。
症状
- 骨粗しょう症は、痛みなどの自覚症状がないことが多いです。しかし、つまづいて転ぶなどのちょっとしたはずみで骨折しやすくなります。
- 骨折が生じると、背中や腰が痛くなった後に、丸くなったり身長が縮んだりします。
- 骨折しやすい部位は、背骨(脊椎圧迫骨折)、太ももの付け根(大腿骨近位部骨折)、手首、腕の付け根などです。
骨粗しょう症のメカニズム
- 生体内の骨は、「リモデリング」といって、破骨細胞により少しずつ溶かされ(骨吸収)、骨芽細胞によって新たに作られる(骨形成)ことを日々繰り返しています。健康な骨では骨吸収と骨形成のバランスが釣り合っています。骨吸収のスピードが骨形成を上回った場合に、骨がスカスカになり骨密度が低下すると考えられています。
- 骨粗しょう症の患者さまの8割以上が女性と言われています。女性ホルモンの一つであるエストロゲンには、骨の新陳代謝の際に骨吸収を緩やかにして骨からカルシウムが溶け出すのを抑制する働きがありますが、閉経後の女性は、女性ホルモンの減少により急激に骨密度が低下し、同年代の男性に比べて早く骨密度が低下してしまいます。
このような方は骨密度検査をお勧めしています
- 閉経後の女性
- 転びやすくなった
- 背中や腰が痛い
- 背中や腰が曲がってきた
- 身長が低くなった気がする
- ご家族で骨粗しょう症と診断された方がいる
- 関節リウマチ、糖尿病の既往歴がある
- ステロイドを長期間服用している
当院の骨密度検査
最新のX線骨密度測定装置(DXA法)を導入しています
- DXA法(デキサ法)とは、微量なX線をあてて迅速かつ精度の高い骨密度の測定ができる最も信頼性の高い測定法で、日本骨粗鬆症学会のガイドラインにおいてもDXA法を用いて計測することが推奨されています。
- 測定部位は、骨粗しょう症による骨折が起こりやすい腰椎(腰の骨)と大腿骨頸部(太ももの付け根の骨)の2か所です。
- 測定装置に仰向けになり、痛みもなく数分で測定できます。
骨粗しょう症の治療と予防
薬物療法
骨形成を促進する薬、骨吸収を抑える薬や注射など、近年は様々なタイプの治療薬が出てきています。患者さまの症状や病気の進行度、生活習慣などに応じて、お一人お一人に適した薬剤を決めていきます。骨粗しょう症は症状を感じにくいため、効果も感じにくいものですが、自己判断で服薬を中断せずに根気よく治療を続けていくことが大切です。
運動療法
骨は運動をして負荷をかけることで増え、より丈夫になります。さらに筋肉を鍛えることで身体をしっかり支えられ、バランス感覚が良くなり、ふらつきが少なくなるので、転倒による骨折防止にもつながります。激しい運動をする必要はありません。ウォーキングや体操など週に数回でも効果があります。無理のない範囲で長く続けるようにしましょう。
食事療法
カルシウムは骨にとって重要な栄養素ですが、カルシウムを十分に摂ることのみで骨粗しょう症が予防できるわけではありません。骨代謝に必要な栄養素は、カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、たんぱく質です。バランスの良い食事をすることを心がけましょう。また、カルシウムの排出を促進するカフェイン・アルコール・塩分・加工食品などは控えるようにしましょう。
その他
骨粗しょう症は、生活習慣病など病気との関連性も報告されています。高血圧や脂質異常症、糖尿病などにならないように生活習慣を改善することも重要です。